樹木と赤味



絵を描くときに、うまく描こうなんて思わなくなった。
うまく描こうとすればするほど、うまく描けないし、木(対象)と距離ができてしまうことに気づく。
おそらく、片目つぶったり、利き手じゃない方で描いたり、水にたっぷり濡らしたりした方が、「なんか全力で描いたな〜」と思える気がする。

芸術は原初の私との出会いでもあるんやと思う。
人間のはじまり、自然界にまったく溶解した私との出会い。
奥底で繋がる生命の点になれれば、それを表現できるだろうに。

本科赤の心理学を先週開講しました。
木の質、幹や根にも赤味が多分に働いています。
心なしかみなさんが、台風が来ても地震が来ても倒れないような、 たくましい樹木を思い思いに描いていたように感じました。