黄の心理学

先日、黄の心理学の講義がありました。
日本色彩心理学研究所では、各色を追いかける講座を行ない、人間の心理とどのように関わりがあるかということを学んでゆきますが、



黄の授業は特に色彩心理学を学ぶ上で、色彩環理論を理解する上で重要な根源的な単元になるため、2本立てで開催しています。
1本目が「黄の本質への接近」、そして2本目がこの「黄の心理学」です。

黄が人間の心の諸要素でいうところの何と関わりが深いのか、
それらが全体とどのような関わりをもっているのかという点で、
どのような働きや動きを備えているのか。
色彩をよむことは、まるで自然をよむことになってゆきます。
大自然の辞書を少しでも読むことができれば、人という小自然についても少しは理解できると思います。



これは大学の黄を追いかける講義の際の写真ですが、赤がその世界を黄に明け渡してくれることを、黄が待っている。そんな感じがして、ずっと見つめていたところです。
このあと、徐々に赤が譲り渡してくれた世界により、黄は赤みをそなえオレンジになってゆきました。
オレンジになった黄は、純粋さやまずしさを失ったように思いますが、力強くなった気がします。
これは自然現象において、太陽の光が遠くまで届き、夕闇を受け入れていく過程の色彩の生成と変化のように考えられます。
色彩現象は止まっていることはありません。大気やくもり、光や闇の加減によって、ゆっくり動いて変化してゆきます。

色相や明度や彩度で色彩をものさしで測ることだけではなく、
色彩を「自然が語る言葉」として受け取りながら、
人間がつきあってきた生身の色彩、生き物としての色の本質へと接近し、
色彩の与えてくれる力を考察してゆきたいと考えます。